刷毛・刷子(ブラシ)の株式会社江戸屋

材料紹介

材料紹介

刷毛・ブラシの素材

【動物繊維】

品名 特性及び物性 用途
馬毛 化学繊維より耐薬品性は多少優れている。柔軟性、弾力性に富み、静電気の発生が少ない。
刷毛の中では利用が最も多く、尾毛・たて髪・胴毛など余す所なく使用できる。毛先も良く、糊・塗料の含みも多い。
刷毛・塗装用
洗浄・研磨用
その他
豚毛 柔軟性、弾力性に富み腰が強く、静電気の発生は少ない。 刷毛・塗装用
家庭用ブラシ
山羊毛
(羊毛)
馬毛、豚毛より腰がやわらかく、毛全体がとてもソフト。 刷毛・塗装用
白粉・経師用
鹿毛 毛先が強く、腰がやわらかい。一本一本の毛がパイプの様に中空になっているので染料を良く含む。 染色用・表装用
絵画用
狸毛 毛先が良く尖っていて腰が強い。この特性を生かして幅の細い面積に少量の糊を付ける切継刷毛などにも使用される。 経師刷毛用
その他
人毛 柔軟性に富み、あたりはソフトである。 漆刷毛・塗装用
猪毛 動物繊維の中でも特に毛が硬く、ヘアーブラシの材料として使われる。 家庭用ブラシ
イタチ毛 穂先のまとまりが良く、腰が強い。 化粧ブラシ・筆

【植物繊維】

品名 特性及び物性 用途
パキン メキシコ原産のタンピコ麻の葉からとれる繊維。
吸水性が高く、洗浄・研磨用に適している。 
洗浄・研磨用
シダ パルミラ椰子の葉からとれる繊維。
吸水性が高く、硬いので洗浄・清掃用に適している。
デッキブラシ
ホーキ
パーム 椰子の実からとった繊維。
吸水性が高く、洗浄力に優れる。弾力性、柔軟性に富んでいる。
タワシ・ホーキ
シュロ 椰子科の常緑木の樹皮で、シュロ縄などは古くから使われている。
植物繊維の中では最も腐食に強く、伸縮性がある。
タワシ・ホーキ
カルカヤ メガルカヤの根からとった繊維であり、剛毛である。 うずくり・タワシ
ツグ シダに似ているが、硬くて比重も重く、色が黒い。 撫で刷毛

ブラシの素材

【化学繊維】

品名 特性及び物性
ナイロン 耐摩耗性、強度、柔軟性、耐久性などに優れている。

[比重]1.14
タイプ [溶融点] [使用限界] [吸水率]
214℃ 100℃ 10.7%
66 250℃ 120℃ 4.5%
610 212℃ 100℃ 2.5%
612 212℃ 100℃ 2.5%
ポリプロピレン
(PP)
ナイロン素材より硬く、腰が強い。
化学繊維の中で最も軽く(比重0.91)、耐酸・耐アルカリ性もある。
屈曲回復性、弾力性に優れている反面、耐摩耗性にやや劣る。

[溶融点]170℃ [使用限界]80℃ [比重]0.91
塩化ビニール
(PVC)
ナイロン素材より硬く、腰が強い。

[溶融点]160℃ [使用限界]60℃ [比重]1.39
ポリエステル ポリプロピレンより硬く、塩化ビニールと同等の比重がある。

[溶解点]260℃ [使用限界]140℃ [比重]1.38
グリットナイロン
(研磨材入り)
ナイロン素材の中に研磨材(酸化アルミナ、シリコンカーバイト)を練り込み、フィラメントとして加工した素材。研磨力に優れている。

[品名]タイネックス・トレグリット・サングリット

[比重]2.56
アラミド繊維
(コーネックス)
耐熱性、耐摩耗性に優れている。
200℃程度までの乾式使用が可能。
ポリフェニレン
スルファイド
(PPS)
耐熱性、耐薬品性に優れ、200℃以下での溶剤使用も可能。
耐薬品性については、常温で侵される薬品・油類は無い。
難燃性で、高強度・高剛性を示す。
サンダーロン アクリル繊維に、硫化銅を結合させた有機導電繊維。
静電気除去に効果を発揮する。
モノエイト ナイロン66をベースに、ナイロン6及びカーボンブラックを配合した静電防止繊維。
エレバイ ナイロンの表面にカーボンをコーティングした静電防止繊維。

【金属線】

品名 特性及び物性
鋼線
(SW)
冷間引延により、硬度を出している。一般工業用ブラシに使用されている。
比較的錆が発生しやすく、金属疲労に弱い。
メッキ線 鋼線をメッキしたもので、耐腐食性や強度を高めてある。
ラッピング メッキ線を数本束ねたもの。
ステンレス
(SUS)
〔304〕〔316〕
薬品全般に強く、耐熱にも優れている。鋼線より錆に強く、破損が少ない。
〔304〕は作業工程で帯磁することもあるが、〔316〕は帯磁しない。
真鍮
(BSW)
鋼線やステンレス線より柔軟である。
燐青銅
(PBW)
銅を主成分に錫を3〜9%添加し燐で脱酸した三元合金。
耐腐食性、耐摩耗性、弾力性がある。